SRYニュース 2008
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近代「キャリア教育」発祥の地、 8時間制も富岡製糸場から。




 「世界遺産暫定リスト記載」と高らかに謳っている富岡製糸場(明治5年操業)。説明の中から、女工哀史に語られるような過酷な労働環境は長野県などの話で、ここ富岡製糸場では『日本初西洋式の8時間労働制』がはじまったと判明。ホッと。

指導者として招聘されたのは、フランス人ポール・ブリューナー。工場内には、ブリューナーが家族と生活した高床式回廊付の木造レンガ造りの開放感豊かな建物がある。当時の植民地式住宅を取り入れている。すでに、アジア各地はフランスはじめ欧米列強の植民地。ベトナムでフンス式建物を見ていますが、これはそれほど立派なものには見えません。当時、欧州での絹糸主要生産国はフランスとイタリア。しかし、日本の器械製糸が定着すると次々に欧州生産国は日本製品に市場を奪われいる。

座繰り式では、群馬県が生産量で首位だったが、全国からここに集められた工女たちは、すぐに機械製糸技術を習得して各地へ戻り、なかには指導者になって活躍し、日本全国で生産量を飛躍的に伸ばすことになった。その原動力となったのは、工女たちへの読み書き和裁などの『企業内教育と健康管理(企業内診療所の設置とフランス人医師)』だった。さらに、フランス人女性教師から近代国家の教育を受けたからこそ、出身地へ戻った工女たちが最も先駆的な機械製糸の指導者として「日本初のキャリア教育」の推進者として大活躍したと垣間見ることができます。

幕末に大活躍した小栗上野介は、1860年米欧を視察し洋式軍隊の創設や横須賀造船所建設と幕政改革で広く知られています。薩長倒幕に際して主戦論を唱えて失脚したが、隠せい中の倉渕では人材育成を手掛けた。「上野介から語学や算数を寺で教わったと古老からのいい伝が残っている。」(東善寺住職)この富岡製糸場でフランス人技師の通訳を務めたのも上野介がつくったフランス語学校で学んだ人たちだった(日経朝刊11.15)。

殖産興業、富国強兵の明治政府の大方針は、その後結実しました。しかし、それから30年後の日露戦争からはじまり近代日本が悲劇のステージへとよじ登ることとなることは誰も知る由もなかったでしょう。


「あなたの会社のキャリア開発担当者はどなた?」




 安全衛生管理の推進をはじめ、障害者・高齢者などの雇用促進のために管理者や責任者を選任する制度が定着しています。

キャリア開発分野も同様です。厚労省令では、キャリア開発を加速させるためその原動力役を企業自身が「職業能力開発推進者」の選任をするとしています。

キャリア形成促進助成金では、選任届が必要条件。都道府県職業能力開発協会では、選任された職業能力開発推進者を積極的に支援している。

協会は、キャリア開発、事務系職務の公的資格ビジネス・キャリア検定はじめ各種検定などが中心的。さらに、キャリア開発推進者のために定期的に年2回の講習会を実施している。

本年も6月(前橋マーキュリーホテル開催)とそして10月に実施。10月は、協会と太田商工会議所後援としてキャリア開発推進に産業界が立ち上がった。

「導入レベルのキャリア・コンサルティング講習2日間」(写真:昨年度の様子、講師はキャリア・コンサルタント)が開催される。

中小企業にとっては、こうした協会の地道な活動はありがたい。しかし、激変する現下の状況は参加者の足を止めがちだ。だからまず、経営者自らこの講習会への参加をお勧めします。

なんと、よき上司になるための有効なカウンセリング手法が習得できる。あなたの会社の選任届は、まだですか?

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